Jun 29, 2011

First Bag


およそ10年前、まだ友人だった妻が初めて購入した僕のバッグ。


懐かしい。

クローゼットの奥の方から引っぱり出して、改めて眺めていたら、
10年間のあれやこれやがよみがえり、
嬉しいような寂しいような、何とも不思議な感覚に包まれています。


10年も経てば、当時の気持ちも曖昧になってきます。
今よりずっと希望や野望に燃えていたでしょうか。


限られたテクニックを駆使し、
まだまだ自分のブランドらしさを模索していた頃のデザインです。


細かい部分をいえば、今ならこうするかなぁと
未熟な部分もありますが、パーツの曲線の取り方などは
やっぱり今に通ずるものがあります。


手元に残る10年前の貴重なバッグ。
自分にはあとどれくらいの伸び代があるんだろう?


妻にとっても僕にとっても思い出深いバッグです。











Jun 28, 2011

SIMPLE



本日も2006S/Sコレクションからのご紹介です。



「ソフトレザーボストンバッグ」
上部ファスナー部分にのみマチを付け、サイドと底辺の合計4箇所を、
前回ご紹介したつまんで縫う方法で立体感を出しています。
ほとんどのバッグのハンドルを芯入りで仕上げていますが、
こちらのバッグは本体の柔らかい雰囲気に合わせて
幅広の平手ハンドルを用いています。



「ソフトレザー巾着ショルダー」
口元を絞る為の紐を通すハトメを内側に隠し、
外から見える金具を極力減らすことで
革の柔らかさを強調しています。

ショルダーと口紐が一体式になっているので
中に入れる物の重みで口が閉じます。



「ソフトレザーショルダー」
発表当時から今日まで、大変ご好評いただいているショルダーバッグです。
中に入れるものによってバッグの形が決まるので
フィット感が良く、ぎりぎり斜め掛けに出来るショルダーは
自転車に乗られる方にも便利です。



「羽根チャーム付きシンプルショルダー」
たくさんの羽根をあしらった巾着型ショルダーの後にデザインした、
無駄のない非常にすっきりとしたバッグです。
シンプルですが、ホワイトカラーのレザーと言うこともあり、
実際にコーディネートすると見た目以上に個性的です。





これらのバッグに用いている、マチを付けずに立体感を出す方法を簡単にご説明します。
マチが無いので前胴と背胴の二枚を縫い合わせた単純な構造です。
その後、写真の様に前胴から背胴にかけて
数cm(デザインによる)つまんで縫います。
物を入れていない状態ではフラットです。

 これに物を入れると、ご覧の様につまんだ部分が一直線になり、
バッグに立体感が生まれます。
通常の底鋲はハンマーで強く叩き潰して固定します。
このつまむ方法は、僕がマンションの2階に作業場をかまえていた時に、
階下への騒音を気にせず制作に励めるようにと考えた手法です。

また、柔らかい質感を損なわずに立体感を出すことができ、
バッグをしまっておくときには平になるので、収納も便利です。

苦肉の策で生まれた方法ではありますが、
デザイン的要素もあるので、現在もデザインによって
この手法を取り入れています。












Jun 27, 2011

NATURAL



2006S/Sより
ナチュラルな雰囲気のバッグを3型ほど。

POPな印象のバッグを多くデザインしていたPOLKAから
ブランド名をtortoagoに変更し、折角の機会だからとそれまでに制作していなかった
ナチュラルな雰囲気のバッグに挑戦した時のモノです。


横長ボストンバッグ。
写真だとサイズ感が分かりませんが、横幅が50cm程あります。
シンプルですが面白いバランスだと思います。
バッグに下げているチャームの様なものは、ブランド名にちなんで糸と針を表しています。
(torto=糸、ago=針)


 A4トートバッグ。
3型に共通している構造ですが、
マチを付けず、バッグ本体の横を左右一箇所ずつ、底を二箇所つまんで縫うことで、
物を入れた時に立体感が出るようになっています。
この構造の詳細はまた後日説明します。


 縦型A4トート。
コーナーパッチにフリルを縫い込んでいます。
最近のカラフルなフリルとはまた違った印象です。



次回も2006S/Sから何型かご紹介します。











 

Jun 26, 2011

淡い



tortoagoには珍しく、淡い色合いのバッグ。

2005年A/Wのコレクションから





以前ご紹介したこちらのハンドバッグのショルダー版です。


サンプルを作る時は、一つのデザインにつき
何色ものバリエーションを作ることが出来ないので、
インパクトがあり、見栄えのよい色を使うことが多いのですが、
過去のデザインを見返していて、自分でもちょっと意外な色合いでした。


このバッグに注文が付いた記憶がないのですが、
悪くないと思います。

悪くないけど廃盤です。














 

Jun 23, 2011

夏至



今日は暑かったですね。

そうテレビで言っていました。
今日は外に出なかったので。。。


更に気温が上がるジャパニーズ・ロックを。






人生初の
STRAW HATを買ってみました。

先月高円寺の古着屋で、
50’SのSTRAW HATとめぐり合い、
夏用の帽子が欲しいと思っていたところだったので、
迷わず購入しました。


約70年前のモノにもかかわらず、
汚れも潰れもない、とてもしなやかな完品です。


この夏、僕にとっての灼熱の太陽は、
作業場の蛍光灯なわけですが、
やはり夏の気分くらいは味わいたい。


おそらく海にも山にも連れて行けないこの帽子は、
家から30mの距離にある自動販売機へ
缶コーヒーを買いに出る時に大活躍することでしょう。


歳を重ねて、僕自身良かったと思うことは、
昔は大人のアイテムだと思っていたこの手のHATやサマージャケットを、
背伸びせずに身に着けられる様になった事です。

勿論それぞれの年齢での楽しみ方があるわけですが、
いつの間にかそれらが自分の身の丈にあったモノになっていた時、
凄く嬉しい気持ちになるのです。


ハットにサマージャケット、
ショートパンツにローファー、
おまけにサングラスをかけて、

浮かれた夏気分を味わう、わずか往復60m。



それぞれの夏













Jun 22, 2011

DRAWSTRING



前回の続きで、2004年のコレクションから
マチの横を絞ったハンドバッグとトートバッグのご紹介です。


DRAWSTRING HANDBAG

とても端正な顔立ちです。

A4は入らないサイズのハンドバッグ。
マチ上部を絞ることでコロンとしたフォルムになります。



DRAWSTRING TOTEBAG

日頃パーツからデザインを考えることはあまりありませんが、
このトートバッグは、トッグルを使用したくてデザインしました。
トッグルやタッセルなどはアクセントとしては小さいものですが、
付けるとデザインが引き締まりますね。

A4サイズのトートバッグ。
トッグルはこのとき以来使用していませんが、
とても好きなパーツなのでいつかまた使いたいと思っています。



この頃はまだ展示会を行っておらず、
セレクトショップへの卸しのみで展開していたので、
今と比べるとデザインが少しコンサバでしょうか。

個人のお客様向けに展示会を行うようになってから、
羽根バッグやフリルバッグなどデザイン的に遊んだバッグも
制作するようになり、幅が広がったように思います。

そうしたデザインを考えることにより、
本来好きなトラッドやクラシカルなデザインにも
良い影響が出てきたと感じています。












Jun 21, 2011

Special Thanks






6/19,20の2日間にわたり友人くららさんが執筆している
VOGUE.talk Style Blog内のKurara's Blogにて
tortoagoのバッグを紹介していただきました。












LACE UP



2004年のコレクションから、
ハンドバッグとミニトートを二型ご紹介します。

LACE UP HANDBAG

前面はとてもシンプルですが、デザインポイントはバックにあります。


背面にデザインポイントをもってくるところがtortoagoっぽいかと。

パーツのカッティングを浮き上がらせる為に、白い糸で縫製しています。
A4は入らない大きさの、蓋つきハンドバッグ。





LACE UP MINITOTE

こちらのトートは横にレースアップを施しています。


マチの幅を調節する機能があります。(若干ですが)



二型ともとてもシンプルですが、レースアップのデザインを
効果的に見せる為に、型紙制作に時間をかけたのを覚えています。

次回も同シーズンのバッグを二型ご紹介します。













 

Jun 19, 2011

ベストルック



2011秋冬コレクションからお気に入りのルックをいくつか。

特に写真後半のLANVINが素敵でした。


BURBERRY PRORSUM


DRIES VAN NOTEN


PRADA



CELINE



GIVENCHY




LANVIN



















Jun 17, 2011

Loop





ここ半月程、ずっと頭の中でこの曲のメロディーがループしながら
アーティスト名が出てこずモヤモヤしていましたが、
今日NOの泰三氏と電話で話している時に、突然思い出し、
スッキリとした気分です。

脳細胞が死滅しないように、諦めずに考えていこうと
改めて自分に言い聞かせつつ、この曲が
明日の作業のペースアップに繋がればいいな。




ここ最近の様子。


裁断に次ぐ裁断。


に次ぐ裁断・・・



そして今回も過去に制作したバッグを一型。

2004年に制作したクラシカルなバッグ。
とてもtortoagoらしいデザインだと思います。


正面からだと、ある程度マチ幅があるデザインに見えますが、
ご覧のようにかなり薄い仕上がりで、よりカッチリとした印象にしています。


今見直しても、この雰囲気は個人的に気に入っています。












Jun 16, 2011

天地玄黄



天地玄黄とは

天地のこと。
天は黒色であって、地は黄色であるということ。
また、四つのものの順序を示すのに用いる言葉。
「玄」は、黒色の意。
書写の練習によく用いられた『千字文せんじもん』の第一句。


先日、夏目漱石の「吾輩は猫である」の文中に、

追付こうと思って首をねじると、尻尾も同じ間隔をとって、先へ駆け出す。
なるほど天地玄黄を三寸裏に収める程の霊物だけあって、到底我輩の手に合わない、
尻尾を環る事七度び半にして草臥れたからやめにした。

と言う一節があり、

天地玄黄の意味をを調べた直後だったので、
このバッグの画像を目にし、これも何かのご縁かと。



2005年制作の、毒々しい色のトートバッグ。


黄色と黒は、天地以外にも宇宙を表すらしいです。

このバッグを使っていた妻の姉は、当時良い事が続いたと言っていました。
それは宇宙の力でしょうか?


この二色の模様は「警戒色」と呼ばれています。

人間以外の生物に対しても目を惹く配色とされ、
多くは昆虫や爬虫類などの小型の動物にみられます。 



虫が寄り付かないバッグならありがたい。

と書いてるそばからモニターに虫がとまる。















 

Jun 15, 2011

想い出に浸る









FASHION MEMO OCTOBER.2000.10


POLKAとしてブランドを立ち上げる以前、
某眼鏡店に勤めていました。

そこでお世話になっていた、(株)ワールド フォト プレスのHさんより、
「雑誌にバッグ載せてあげようか」というお誘いを受けました。

独立したばかりの僕を気にかけて下さり、
嬉しくて、「お願いします」と良く理解しないままご厚意に甘えたところ、

発売になった雑誌を開いてビックリ!


なんと、ドーンと4ページ!


広告の様に掲載してくださっていたのです。


まだブランドのタグも付いていなかった頃。
このバッグに見覚えのある方は、かなりのtortoago通ですね。



我が家の家宝。